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2006年12月 2日 (土)

BTOU2006レポート ETAP2(8月8日) その6

闇の中、たった2.57キロ先のガススタンドに向け、3人はETAP2のゴールを出発した。
今回の先頭は#23渡辺さん。
直ぐに着くだろう。
しかし、その思いは、また裏切られた。

ゴールの位置が200mずれていることに加え、数個の分岐が近距離に密集していたため、GSの分岐が特定できない。
渡辺さんの進路を追い、小さな村に迷い込むが、指定の距離を走行してもGSは無い。
今日を終わらせたい。
直ぐにでも戻ればよいのだが、その思いが強いため、なかなかゴールに戻れない。
しばらく村をさまよった後、ゴールに戻ることを決意。2キロの道のりを引き返す。
再度ゴールからGSにスタート。
迷った分岐を、3台で手分けして複数方向に別れ捜索する。
結局、自分が進んだ方向が正しく、3台は合流し村に進んだ。
村に入ると、道の両側に並ぶ家には照明が少なく、ぼんやりとした明かりが、道路を月の表面のように白く浮かび上がらせていた。
しばらく進むと、道の先に一人のシルエットが浮かび上がった。
男性が手を振っている。
それは、GSに詰めているオフィシャルだった。
キャンプから連絡を受けたGSのオフィシャルは、時間が経っても現れない我々を心配し、様子を見に道路に出たらしい。
給油中、#33桑島さんの様子を伺うが、先ほどよりは回復しているようで安心する。
やはり、夜間走行の緊張が疲労を数倍に高めていたのだと思う。

自分たちが2輪の最後の給油者であることは間違いない。
ただ、オフィシャルによると、数十分前にもう一台のバイクが給油に来たそうだ。
後になって考えると、それは#24中井さんだったのかなと思う。
彼は、川渡りで水没し、その後夜間走行に突入し、ゴール時間も近かったようだ。

給油を終え、ゴールに向かう。。
そして午後11時20分。終にキャンプにたどり着いた。

キャンプでは、3人はそれぞれ、テント設営、整備、食事などに進む。
ゲルを予約している自分は、テント設営の必要は無く、ともかく食事に進んだ。
モンゴルの夜は予想以上に寒く、我々を待ってくれているレストランでの暖かな食事は、非常にありがたかった。
渡辺さんがテントを設営するのを見ながら、食事を行い、その後、整備を開始。
自分の近くには、うなぎさんが忙しく桑島さんのマシン整備に追われていた。

大きな転倒も無い今日は、チェーンラインの調整、各部点検、マップの巻き直しがメニューだ。
幸いマシンに異常はなく、直ぐにマップ巻に入れそうだ。
マップを巻こうとした瞬間、ICPの液晶部のカバーの樹脂パネルが外れかかっている事に気付く。
まずい。カバーを固定する接着剤やバスコークは持っていない。
そこで、恥ずかしいと思いながらも、近くで驚異的なスピードで作業を進めるうなぎさんにバスコークを持っていないか尋ねる。
「ありますよ・ちょっと待ってください」
そういうとうなぎさんは、ケミカルが詰まった箱から、シリコン系の樹脂のコーキング材を貸してくれた。

ICOをナビゲーションのステーから外し、樹脂パネルを再接着する。
疲れているためか、単純な作業もペースが上がらない。
それでの何とか作業を追え、ナビゲーション周辺を組みなおし、その後もう一度各部の点検を行った。

整備を終え、ゲルに向かったのは午前1時30分過ぎ。
しかし、その時点でもうなぎさんの整備は続いていた。
かれはいつ寝るのだろうか。

ゲルの入り口には、それぞれのゲルのメンバーのリストがあった。
数張りのゲルの前を通り過ぎ、自分の名前を探しだす。
やっと見つけた自分のゲルには、あの菅原さんの名前があった。
自分のゲルは6名のメンバーらしい。
既に全員が就寝しているゲルに、音を立てないように忍び込み、就寝の準備をする。
ヘッドランプの淡い光を頼りに寝袋と着替えを引きづりだし、ラリージャケット等を脱ぎ下着を替える。
ゲルの中の残ったスペースに自分の装備と就寝スペースを確保し、やっと体を横たえたのは午前2時まであと15分だった。

明日はスタートが午前7時。準備のためには起床は5時となるだろう。
ETAP3は標高3000mのスガワラ峠越えが待ち受けている。
睡眠時間の短さなど、気になることは多いが、襲ってきた眠気に素直に体をゆだねた。

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コメント

あの日は大きなミスコース・水没・タンクの破損・そして夜間走行と色々な事が1度に起こった大変な1日でした。
しかし、そんな事があるたびにパワーアップしていった様な気がします。
のむらさんと同じゲルだったのに、まともにお話出来たのはゾーモッドだったような・・・(笑)

投稿: のりお | 2006年12月 3日 (日) 11時00分

のりおさん こんにちは
そうですね、結構順位が近かったので、短い会話があったのですが、ちゃんと話したのはゾーモット以降だったかもしれませんね。

ゾーモットまでは、自分のペースを完全に作れなくて、自分のことだけに必死だったかも。(そうは見えなかったでしょうが)

投稿: ノムラ | 2006年12月 3日 (日) 19時28分

いや~。皆それぞれのドラマがあるんですね。
「疲れていると単純な作業もペースが上がらない。」って良く分かります。
ラリーデビューのTBIの時がそうでした。夜中にリアタイヤ交換をして、左右のカラーが反対だというのに気付くのに1時間ぐらい掛かりましたもん。笑

投稿: ラリーパパ | 2006年12月 7日 (木) 22時52分

ラリーパパさん こんばんわ
ラリーは参戦までの壁は高いですが、参戦中のドラマだらけの濃い時間には、その価値がありますよね。
トラブルが起きると、自分が本当にさらけ出されるので、自分を知るにも良いかも。

投稿: ノムラ | 2006年12月10日 (日) 01時37分

ケミカルをお貸しした記憶が吹っ飛んでますw
自分の中では『ノムラさんはトラブル無く』ってインプットされてるんですよ。

睡眠については、ヘリの中やキャンプ地で準備を終えた後などに、数分程度の眠りを何度も取る様にしてました。
意外と持つもんですねw

投稿: うなぎ | 2006年12月11日 (月) 00時44分

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