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2006年11月12日 (日)

BTOU2006レポート ETAP2(8月8日) その5

19時15分、CP発。

残り70キロを2時間。
夜間走行を避けるためには、そのオーダーをこなす必要があった。

スタートしてしばらく行くと、電柱に併走し始めた。
村は近いな。
コマ図を数コマ分カラ送りすると、やはり村のコマ図があった。

コースは村の中を通過するようだった。
詳細に書かれたコマ図は、しかし、村の中の複雑に入り組むピストをトレースするには、情報が足りないと感じる。
ともかく、コマ図と映像をリンクさせ、必要以上にピストを追わないようにする。
特徴のある建造物を見つけ、コマ図にもそれを求める。
徐行しながらも間違えずに、その村を抜けることが出来た。

村を出ると、進行方向の左右両側の山岳が、徐々に進行方向中心に集まって行き、谷間を形成しているのが見えた。
町の左側を迂回していた川は、いつの間にか道の左側に併走するようになる。
川は谷の右側に寄り添うようになり、今走るピストは、谷の右側の山の斜面に沿って、谷の向こう側に吸い込まれていく。
439キロ地点で、コマ図は左折を支持。「川渡り」の文字が緊張を誘う。

ちょっとした段差をおり、河原に降りると、そこには#23渡辺さんと#33桑島さんが停止していた。

「ここ渡るんですかね」
こちらを見て待ちかまえる2人に声を掛ける。
「ここでしょう」
渡辺さんが答える。
川を見ると意外と深く、流れが速い。
川の表面がさざめく、浅い部分を見ても、ひざ上まではありそうだ。
バイクを降り、しばらく渡河地点を探すが、どれも深いようだ。
「バイクで上流・下流を見てきます」
そう二人に声をかけ、上級・下流の500mくらいを探すが、やはり浅い部分は無い。
もう一度、最初の場所に戻り、深さを探っていると、突然桑島さんが川に入り始めた。
「ここ、ひざくらいですよ」
彼女の行動力に、(今考えると、自分の決断の遅さに)驚き、急ぐように川に入る。
確かに、ひざまでの深さがあり、流れも速い。
でも、流されるほどでもないし、幸運にもここには3人がいる。
「そうですね。渡りましょう」

順番は、渡辺さんのKTMからになった。
一番重そうなKTMを最初に通しておきたいという思いからだった。
エンジンを掛け、ハンドルを渡辺さんに任せ、桑島さんと2人で後ろから思いっきり押す。
どうやら3人とも、本格的な川渡りの経験が無いためか、ぎこちなく、バイクにしがみつきながら、KTMを何とか対岸に送った。
(自分は川渡りの経験が何度かあるか、浅い川の経験しかなかった)
KTMを送ったのが自信になったのか、残りの2台は容易に対岸に渡すことが出来た。
ここで2人にあったことに本当に感謝した瞬間だった。

川渡りの最中、SSERのオフィシャルカー2台が追いついてきた。
2台は躊躇無く川を渡る。
車はいいよなあ。単純にそう思う自分に、苦笑いした。

この時点で残り60キロ。日没まで1時間。川渡りに時間がかかってしまった。
一人先行すべきか、それとも3台で行くか。
今日のコースミスのトラウマが残っているため、先行の踏ん切りがつかない。
誰からとも無く、3人で行く雰囲気が形成され、とりあえず、桑島さんを先頭にすることにした。

桑島さん、渡辺さん、自分の順番で出発。
最初の分岐は、山に向かって左に進路を取るのだが、モンゴル人の住居の中に迷い込んでしまう。
オフィシャルも同じピストに入り、思い直したようにピストを外れて、オフピストで山の斜面を登っていく。
桑島さんは、元のピストに戻り、谷の奥に進路を取った。
自分の判断は、オフィシャル車の方位だったのだが、最後尾だったので、桑島さんを強制的に停止させるのに躊躇し、後方で従ってしまっていた。
しかし、数キロ進んでもコマ図はあってこない。
やがて、ピストは薄くない、谷間は深くなる。
この先は無い、そう思ったとき、桑島さんは停止した。
「山を登るピスト分からなかったですよね。川を渡った地点に戻りませんか。そこからやり直しましょう」
2人に声を掛ける。
一瞬、桑島さんの表情に、明らかな疲労があるのが見えた。
もしかしたら、判断力に影響がでているのでは。

その意見は受け入れられ、3人は川渡りの地点に引き返した。
まだまだ元気な渡辺さんが、すごい勢いで戻っていき、しばらく進むと、先行した渡辺さんが、渡河地点で距離をあわせて、こちらに戻ってきた。
渡辺さんに距離をたずね、ICOをあわせなおす。
「自分、先頭行かせてください」
その判断は、桑島さんに疲労が見えたこと、渡辺さんと比べ自分の方がコマ図の経験があることを根拠にしていた。しかし、これまで「ツールド福井」などのコマ図ツーリングを多く手がけ、コマ図の経験に対する自負は、今日のミスコースで失せていた。

この時点で、20時30分。
残り60キロ。既に夜間走行は確定している。
夕暮れも去り始め、夜が顔を覗かせている。
先行してしばらく行くと、オフィシャル車が自分たちを待ち構えていた。
「もう、暗くなる。距離もあるし、ゆっくり行ったらいいよ。必要なら休んでください。」
オフィシャルの言葉に頷き、周りを眺める。
目の前には山岳地帯が広がり、既に闇が迫っていた。

ともかく、慎重に。
急な加減速を避け、疲れが見える#33桑島さんの動きをバックミラーで確認する。
隊列が伸びないように、ミスコースをしないように。最大限の慎重さで、前進を続ける。
しかし、はるか後方にたまに映るオフィシャル車のライトは、心強い。

やがて完全に闇に閉ざされた世界を、ヘッドライトだけを参照に進んでいく。
闇の世界では、情報が圧倒的に少ない。恐れていた通りだった。
コマ図の分岐も、ピストが薄い場合、見逃しそうになった。
試走時ははっきりと見えていたピストも、夏になり生命が躍動することになると、草に覆われ、走行時に見えなくなってくる。
昼なら分かる分岐も、夜は分からない。



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コメント

おっ、とうとう重い腰をあげて書き始めましたね!待ってました!
なんか途中の様ですが、疲れ果てて寝てしまった感がありますが・・・
エタップ2はやはり皆さん色々なドラマがあったみたいですね、楽しそうですね(笑)
私もこの日は夜間走行をしましたが、最後にガソリンスタンドに行くのが一番緊張した覚えがあります。
楽しみにしておりますから、頑張って書き続けて下さいね。2007がはじまる前に(笑)

投稿: のりお | 2006年11月12日 (日) 06時03分

のりおさん
励ましありがとうございます。
ともかく覚えていること全部書きたいと思い書いているので、たまに書く量にうんざりして書くのがいやになってしまって、どんどん遅筆になっています。
でも、読んでくれる人がいるなら、何とか書き上げたいと思います。
ETAP2、3、5、7、9を書きたいと思い、始めたので、ぜひ完走したいと思います。

投稿: ノムラ | 2006年11月12日 (日) 12時50分

ノムラさんの観察力と正確な記憶には驚かされっぱなしです。
ときどき僕が登場するじゃないですか。それも明後日の方向に走り去ったり転んでいたり途方に暮れているところを発見されたりと恥ずかしい登場の仕方で。だからキンチョーしながら読んでるんですが、勉強になります。カッ飛びマシンKTMは本来もっともっと先を走っていないとねえ、おかしいですよねえ〜。はっはっは〜。

投稿: nao | 2006年11月14日 (火) 02時24分

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