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2006年9月 2日 (土)

BTOU2006レポート ETAP2(8月8日) その2

濱田さんの転倒現場から20キロ。
丘陵部を終え、ラリーはいったん平地に移る。
コマ図には「Village」の文字。
村を右手にみながら徐々に接近する。
村内のナビの複雑さを予想し、かなり速度をおとすが、今回の村のナビゲーションは容易だった。

村を出ると、しばらくは平原の中に走る電柱を主な目印に進む。
しばらく行くと、前方から#37小川さんがハイスピードでやってくる。
言葉は交わさず、そのまますれ違うが、おそらくミスコースだろう。きっと、確信のあるコマ図まで戻る途中なのだろう。
この後、スタート後205キロの地点の村で、#37小川さんに再開することになるが、そのとき小川さんは、この時点で既に70キロのミスコースをしていたと話してくれた。

平原は直ぐに終わり、再び丘が連続する丘陵地帯に入る。
アップダウンを繰り返し、緩やかに曲がりくねりながらピストは続く。
路面のコンディションは良い。
時折、シングルコーションの枯れ川や溝が現れるが、コマ図に無い突発的なものが少ないため、不安なく走行できる。
この日の空は、奥深い青に霞のような白い雲がかかっていた。
丘陵部の緑と空の青、そしてピストの茶色が、強いコントラストで映し出されている。
時折、緑の中に数mの大きさの岩が多数出現し、緑の海に浮かぶ島のように見える。
その岩の間をピストは縫うように走っていく。
安定した路面のため、走りは軽快だ。90キロ近い速度で巡航しているにも関わらず、エンジン音は消え、緑の中を滑っているような感覚を楽しむ。

205キロ地点で、本日3つめの村を通過する。
村を抜けると左手に山岳、正面方向に緑の平原が広がる。
村の出口の2つの複合した分岐をこえ、コマ図の支持はCAP350。

やはりここでも、CAPに該当するピストが複数あり、その選択が難しい場所だった。
とりあえず、候補のピストから選択し、7キロほど先に次の目印である枯れ川のコマ図があるので、それを目印に正解・不正解を判断するしかない。

まずは、一番右手のピストに乗ろうとすると、#37小川さんが後方からパスしていった。
5キロほど行くと、大きな3分岐が出現し、どのピストも太い。
しかし、コマ図がなく、選択したピストは間違っている可能性もある。
分岐手前で停止し、小川さんに声をかける。
「この分岐のコマ図が無いのは怪しいですよね。道なりなら直進ですけど」
「さっきすれ違ったとき、もう70キロ、ミスコースしているんだよ。(ここは違いそうなので)、ガソリンが厳しいから、戻るよ」
ここで小川さんは引き返し、自分は分岐を直進し数キロ行くことにする。
果たして数キロ先には、枯れ川は無かった。

3分岐に一度戻り、残り2つの分岐のなかで、直進に近い方の分岐に進入する。
やはり、枯れ川は現れない。

最後のひとつの分岐は、大きく右にカーブしており、その方向に進むとCAPも違ってくる。
遅れたくない焦りからか、そのときは、残り1個の分岐を調べないまま、210キロ地点の村に戻ることにした。

村の出口の分岐に戻り、先ほど選ばなかったピストに入る。ここはCAPが正確に合っている。
しばらく進み、緩やかなアップダウンの区間で、選んだピストが、何本かに拡散し、併走しているのが見えた。
また、この形か?
併走するピストに惑わされる恐れを抱きながら、ともかく現在のピストを前進する。
3キロほど行っただろうか、分岐点に小川さんと、もう一人(すいません、ゼッケンの記憶がありません)の選手の姿があった。
声をかけると、道なりの方向には、枯れ川が現れない。分岐を道なりとは異なる方向に進んでも、やはり枯れ川は無いらしい。
ほかのピストに移るべきか。
だが、このピストのCAPは350だったと、小川さんの声。それは、自分の確認結果と同じだった。じゃあ、併走するピストが怪しいのか。
併走するピストの様子を探ろうと、うろうろし始めたとき、#27清水さんと#22荒木と遭遇する。
とりあえず情報交換を行い、それぞれが判断を下す。
記憶が定かではないが、出会った選手の一人から、ピストの先の方向の平原を、岩崎モーターの#104プロシードが走っていくのを見たという情報も出た。
自分の判断は、とりあえずこのピストの先を確認し、枯れ川が無ければ戻り、併走するピストをしらみつぶしにあたってみるというものであった。

まずは、現在のピストを前進する。
しかしやはり枯れ川は現れなかった。
減速する横を、清水さんと荒木さんがパスしていく。
一瞬、追走したい気分に駆られたが、自分の判断を信じることとした。

また205キロ地点の村の出口に戻る。
先ほどと同じ方向に走り、途中、併走するピストに乗り、枯れ川を探すが見つけることが出来なかった。
そこで、このピストとその分岐は全滅だと判断した。
だが、もう1本、途中から別れ併走するピストがあり、見落としていたことがその後分かるのだが、このときは気がつかなかった。

もう一度考え直そう、そう考えて205キロ地点の村の出口の分岐に戻る。
コマ図で考えられる分岐で、怪しいところは、全部つぶした。
どこで判断を間違っていたのか。
100mほど手前では、#37小川さんと、おそらく到着したばかりの#33桑島さんが、情報交換をしていた。
見落としたところは無いか。
ふと、最初に選択したピストの先の3分岐を思い出す。
そのうち1本を最初から除外してしまった。
調べてないとすればそこではないのか?

とりあえず、選べる選択肢をつぶそう。
既に、迷い始めてから40分以上。
焦りもあり、急いで3分岐に向かった。

向かう最中、左手を見ると、#37小川さんと#33桑島さんが、先ほど自分が調査したピストの方向に向かうのが見えた。

3分岐に到着し、一番右手のピストを選ぶ。
大きく右手に曲がったピストは、しばらく行くと左手に曲がり、大きなS字を描いていた。
村の出口から7キロ、まさにそこに枯れ川が現れた。距離の誤差は100mも無い。
頭の中が急にクリアになった気がした。答えを見つけた。
CAPを確認する。あっている。
喜びに早くなる心拍を感じつつ、さらに200m行った先に分岐があれば、間違いが無い。

そして、その分岐はあった。
間違いない。確信が思考を支配する。
ここで決定的なミスを犯す。
それは、このコマ図のCAPの確認を怠ったのだ。
ここまで迷っているのだから、より慎重に情報を集めるべきだったのだ。
ただ、やっと見つけたという早急な判断が、慎重さを消していた。、
コマ図の方向にXRを進める。
目の前に平野が広がる。
左に徐々に曲がりながら、左手奥の山岳に向かい引かれたピスト。
ピストは、平野に点在するゲルを縫うように平野を貫いていく。
左右後方から交わってくるピストが、まるでこの道が正しいんだよと語らってきているようだ。
そのまま、5キロ。併走するピストと分岐が現れるはずだ。
しかし、現れない。若干の距離の誤差はあるが分岐はある。
あと3キロ。次のコマの分岐で最終判断しよう。
徐々に薄くなっていくピスト。
そして3キロ地点。分岐は無い・・・・・・・
途中間違えそうな道なりの分岐は無かった。

ここにきて、また間違っていることが分かったのだ。
後ろを振り返る。
はるか平野の向こうに、205キロ地点の村がかすんで見える。
あそこに戻るのか。20キロはある。そこで道は見つかるのだろうか。
もう既に1時間以上、ロスしている。戻って30分、そして何分調査したら正解の道が見つかるのか。今日、日没前にゴールに着くのか?
一瞬、爆発的に増大していく不安が、心を握りつぶしそうになる。
しかし、自分で沈み込んでどうするという気持ちが湧き上がる。まだガソリンは十分ある。XRの航続距離は400キロ以上ある。まだ余裕だ。夜になってもつけば良い。

来た道を引き返す。
広大な平原を、村に向かい一直線に走りたい気持ちが沸き起こるが、そのリスクは受け入れられない。焦る気持ちを理屈で納得させる。
10分ほど走ると、先ほどこのルートが正解だと判断する原因となった枯れ川に戻った。

さっきは、今回のルートは間違っていたと判断した。
しかし、途中の枯れ川までは合っていたのではないか。村まで引き返す必要は無いのでは無いか。見逃したピストがあるか、この枯れ川を基点に探す必要は無いか。
村に戻ることを躊躇させる考えが強烈に浮かび上がる。
先ほど、この枯れ川を見つけたときに感じた激しい喜びが、心をこの枯れ川に縫い付けていたのだ。
村に戻る事に対する不安、ここを基点に調べることの不安。暗い葛藤が起きる。
どちらかを決定する事実がほしい。

コマ図に目を落とす。
枯れ川の次にコマの分岐にCAPが描いてある。
これで判断しよう。
分岐に進み、CAPを確認する。
違っている・・・。さっき、ここでCAPを確認していれば。
自分が犯した間違いに腹がたったが、しかし、この場所を振り切る材料は出来たのだ。

今度こそ、この場所を去る。
村に向かって枯れ川を渡る瞬間、やはり戻ることへの不安が湧くのを感じ、冷静にいることの重大さを認識する。あれほど大きく喜んだため、そのときの大きな感情の高まりが残り、左右されているのだ、
何かを判断するとき、事実のみを材料に冷静に判断しよう。
ラリー序盤で、重要な勉強をした。そう言い聞かせ、村に戻った。

村に戻ったときには、村を最初に訪れてから1時間30分が経過し、距離にして60キロほどミスコースをした。
もう一度冷静に、正確にコマ図をたどろう。
既に近辺に選手の姿は無かった。
最後尾かも知れない。でもまあいい。そう開き直った。

コマ図を元に村を出る。
村の出口で、1時間前にたどったピストに乗る。
さっきの調査では、拡散併走するピストを右側から走った。
今回は左から探そう。
しばらく、既に行った調査と同じピストが続く。
やはり、ここでは無いのか。
ピストは山のゆるい斜面を、稜線に併走するように走るようになった。
斜面の高い側から低い側に、数組のピストが併走するのが見える。
自分の走るピストは、結局もとのピストにつながっている。
ふと気付くと、左手の少し高い場所に、ピストが走っていた。
そのピストは、徐々に左に曲がり、視界の向こうでこれまで走ってきたピストと異なる方向に消えているように見える。
どこから現れたのか。
入り口はどこだったのか。どこで見落としていたのか。
行ってみよう。
ICOの現在距離を慎重にメモする。判断基準を次のコマ図「枯れ川」にして、現れなかったら直ぐにもどればよい。
距離はメモした、間違っていても正確にリスタート可能だ。

隣のピストに移り、路面が安定しているのを確認する。見渡す限り分岐は無いので全開走行に移る。
村の出口から7キロ。「枯れ川」が現れる。
見つけた、今度こそここだ。
しかし、湧き上がる興奮を必死で抑え、CAPを確認する。
そして200m先の分岐も見つける。
そして、もう一度CAP計測。

間違いない。ついに正しいコースを見つけた。
叫びたくなる喜びをさらに押さえ込み、時計を確認する。
2時。日没まで走行できるのは6時間(RCPで1時間休憩があるため)。
RCPまで70キロ。今日の残り280キロ。
平均速度45キロ。
大丈夫、日没までに着く。ミスをしなければ・・・・・

その事実で、心を落ち着ける材料にする。

迷った時間2時間。

何かを判断するとき、事実のみを材料に冷静に判断しよう。
判断をするときには、感情の起伏を出来るだけ抑えよう。
貴重な2時間を失ったが、得たものは大きいと思われる出来事だった。

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